第2回 心臓バクバク!私のマタニティ・ラン (2002年4月) こんにちは。走るシングルマザー、ランママです。先月の名古屋国際女子マラ ソンは2時間49分42秒、残念ながら自己ベスト更新ならず。でもお顔を存 じ上げない方からも「ランママ!」のご声援、このページを読んで下さった方で しょうか?ありがとうございました! その名古屋では優勝した野口みずき選手(グローバリー)のダイナミックなフ ォームが印象的でしたが、田中千洋選手(トクセン工業)の第4位2時間29 分30秒も特筆すべき快挙でしょう。3月19日付の産経新聞に「日本一“速 い”母」と紹介されました。現在2歳のお嬢さんがおられる中でのハイレベル な自己ベストは立派です。妊娠〜育児期間を上手に乗り越えて行くランナーが どんどん後に続くといいですね。 え〜、またマタニティの話?オレ関係ないや、と思わないで下さい。私の周り にもランナーどうしのカップルがたくさん。パートナーのためにもぜひ知って ほしいことです。かくいう私も別れた夫は「どちらが先にサブスリー達成か」 と競争するライバルでした。妊娠に気づいたのはホノルルで初マラソンを3時 間36分で走った少し後のこと(息子はハワイ産?)。さあ本格的にマラソン やるぞ!という時でしたから「あらら〜」と思ったのも事実です。しかしそこ は研究者のサガ、「それなら妊娠中にどれだけトレーニングできるのか自分を 実験台にしてレポート書くぞ」と気持ちを切り替え、体重・心拍数・活動量・ 栄養摂取量などを可能な限り記録しました。 妊娠中にどれくらい走れるか?梶原ら(1994)によるとクリスチャンセンや ドーレ、オンディエキら世界のエリートランナーはトレーニングの中断はほと んどなく、競技力の低下もみられなかったことが報告されています。私の場合、 妊娠初期はウォーキングのみ。17週頃に胎動を感じ、赤ちゃんのたくましい 心音を聞かせてもらって「安定期に入った」と自覚したところからジョギングを 再開しました。マタニティスポーツの一般的な注意事項(3/8記事参照)に 従い、妊娠する前に比べて時間や距離では3割、強度では7割程度に落とした 軽いものです。数字では表しにくい様々な変化、お手洗いが近くなったり、大 きくなったお腹や乳房に着地の衝撃が響いたり、末期には脚や腰の痺れが出た り、これらは予想以上にランニングの妨げになりました。 この間50.5kgの体重が週250gのペースで増え、最後には19%増の60k gに。生まれた赤ちゃんが3.3kg、胎盤や羊水等が1.2kgでしたから脂肪等 で5kg太ったということです。食欲はかなり旺盛で2500kcalほど食べていま したからね!安静時の心拍も52拍だったのが徐々に高くなり、ピーク時には67 拍となりました。新しい命の分だけ高くなった代謝と運動不足、両方の影響だ と思われます。 結局、出産後スグ復帰するために!と意気込んだわりには大して走れませんで した。けれど少しでも走ることで爽快な気分になれたし、それもこれもお腹の 中のあなたが順調に育ってくれているからと我が子に感謝しつつ毎日を過ごし ました。そこで生まれた息子にありがとうの思いを込めて「ラン(RUN)」と いう名前をつけたのです。おっと、美談のようになってしまいました。 この記録は「一般ランナーにおける妊娠中のランニングと身体変化に関する事 例的研究」(ランニング学研究Vol.6, pp25-32, 1995)として発表しましたの で興味があれば検索して下さいね。