第6回 コンコーニ先生、HRTは意外にキツイっす! (2002年10月)  こんにちは。腰痛がひどくなって遂に1ヶ月間の休養を余儀なくされたラン ママです。  休養の間はランニングのかわりに筋力トレーニングとエアロバイクに励みま した。やはり自転車ではランニングのように心拍数を上げることはできません でしたが、少しは心肺機能の低下を抑えることができたかな?・・・と思いき や、1ヶ月ぶりにランニングを再開したら同じペースで走っているのに心拍数 は以前より5〜10拍高い状態。これから徐々にもとのレベルに戻していかなく てはなりません。 さて、前回ご紹介したコンコーニ・テスト、試していただけましたか?少しず つ少しずつ加速していくのは難しかったでしょうか。大教大公開講座「楽しい ジョギング教室」では6年前からコンコーニ・テストを実施して参加者の皆さ んのトレーニングに活用する試みをしています。テスト時には私や現役陸上部 員が先頭に立ってペースメーカーをします。私などもう何十回も特訓?を重ね ましたので、100m毎の微妙な加速はわれながら芸術的(自画自賛)!テスト をしてみたい方、ペースメーカー引き受けますよ。ただし100m19秒までしか 引っ張れませんから、その先は自分で走って下さいね。 1982年イタリアのコンコーニ博士は「ランニング速度をだんだん上げてい くと、速度に対して心拍数は直線的に増加するが、あるところから直線関係が 崩れ心拍数の増加率が低下する」ことを発見し、「その変曲点は乳酸増加と一 致する」と発表しました。つまり心拍計だけを使って乳酸閾値、無酸素性作業 閾値(AT)がわかる画期的な方法として一時注目を浴びたのです。その後、 「変曲点など現れない」とか「現れてもATとは一致しない」などの反論も起こ りましたが、コンコーニらは何千という症例をもとに12年後に改定版テスト 法を発表し、「やはり変曲点は現れATと一致する」と主張しています。コン コーニの説明はこうです。テストの最終局面では無酸素乳酸系のエネルギーが 動員される、すなわち有酸素代謝や心臓血管系とは関係のない筋の活動によっ てスピードが増す。それゆえ心拍数は伸びないのにスピードが上がるという現 象が観察されるのだ、と。 しかし現場ではHRTはATより高い強度のように思われます。ジョギング教室で はこれまでにおよそ150名のランナーがテストを受けました。ここでは血中乳 酸濃度を測っていませんのでHRTと乳酸閾値との関係はわかりませんが、その スピードは10kmのレース速度に近いようなのです。ちなみにジョギング教室参 加者のフルマラソン記録は2時間台から5時間台まで、10kmは35分から60分、 HRTのスピードは1キロ3分半から5分半、心拍数は140拍台から200拍台まで。 おもしろいことに、HRTが自分の最高スピードや最高心拍数の60%程度で現 れる人もいれば、90%ぐらいの人もいます。しかも自分の何%がHRTかとい うことに「速い人ほど高い」とか「若い人ほど低い」などの傾向はみられませ ん。つまりテストしてみなきゃわからない、ということなのです。やはり「個 別テスト、個別処方」が必要だなぁと思うわけです。 ジョギング教室ではコンコーニ・テストで割り出したHRTの心拍数を上限値 に設定して様々なトレーニングを試しています。それで「高すぎる」「低すぎ る」ということであれば修正を加えていますが、それぞれにテストした自身の 結果からの修正なので、みなさん納得されているようですよ。 次回は、目標心拍を設定した実際のトレーニング方法についてお話します。