第8回 トレーニングレベルを分ける〜イージー・ミドル・レースペース  (2003年2月)    こんにちは。先日の大阪国際女子マラソンでは2時間55分56秒、闘うラ ンママ復活中です。私にとって地元のレース、沿道にはラン仲間はもちろん、 職場の友人、懐かしい同級生、思いがけずご近所の方の顔が見えることもあり ます。  大学で「ジョギング」という授業を担当しているのですが、若者はなかなかジ ョギングやマラソンが理解できません。思いきり突っ走って10分もすればバ テてしまい、そんなことを繰り返すうちに「おもしろくないや」とサボりがち になる学生も・・・。今回も出席不足で単位を落としそうな悪ガキ3人に(大 学生に「悪ガキ」もないか)、「特別補習授業だ、先生のマラソンを応援に来 なさい」と言っておいたら、本当に3人はやって来ました。不思議なものです ね、沿道を埋める皆さんの顔、顔、顔のその中から、走っている私にはちゃん と彼らが見つかるのです。初めて目の前でマラソンを見た彼らも感動していま したが、私も何だかグッときました。ここで一句。沿道の小旗の中に君の顔。 あれ、季語は?  さて今回のレース、前半はキロ4分5秒ペース、後半は腰痛が出ましたがキ ロ4分15秒キープで何とか大崩れせずにゴールできました。心拍数も160〜 165拍の範囲で大きな変動はありませんでした。しかしこれは私の心拍ト レーニングでは最もキツイ区分に相当する負荷です。  私のおすすめする心拍トレーニングでは「レースペース」「ミドルペース」 「イージーペース」とトレーニングレベルを3つに区分しています。さまざまな マラソン練習の中で、どうしても欠かせないのは15〜20`程度のペース走。ミ ドルペースはこのトレーニングのペースです。スピードと心拍とが定常状態に 保たれ、「楽ではないが、このままどこまでも行けそう」、そんな充実感の持て る負荷になるよう、目標心拍数を設定することがカギになります。  前に述べたHRT(心拍性作業閾値、ベストラン127、133参照)をミド ルペースの上限としてみてください。コンコーニテストによる私のHRTは16 0拍/分あたりです。今回の大阪のようにきちんとコンディションを整え精神 的にも集中しているレース本番ででもなければ、これを超えて走り続けること は難しい。ですから普段はHRTを上限としたペース走が基本となります。それ では下限は?経験的には目標心拍の幅を10拍程度にしておくと安定したペース 走ができます。あまりタイトに設定するとやたらにアラーム音が鳴って集中し にくいし、緩やかすぎてもペース走になりません。150〜160拍/分というのが 私のミドルペースの設定です。  ミドルペースをうまく設定すれば、それ以上がレースペース、それ以下が イージーペースとなり、前者はインターバルや5キロまでのレペティションな ど、後者は30キロ、40キロと距離を踏む時やポイント練習日以外の軽いジョグ などで有効な指標となります。私の場合はイージーペースの下にさらに135拍 以下の「リラックスペース」という区分を設け、LSDや故障からのリハビリジョ グ、普段でもウォームアップやクールダウンをこのペースで行い、歳を重ねて きた身体をいたわっております。  あとはそれぞれのレベルのトレーニングをどのぐらいの比率で行うか、とい うことですね。私など実はイージーペースが大部分です。次回はトレーニング 区分の組み合わせについてお話しますね。